1.そもそも羽毛の値段はどのように決まっているの?
まずは、羽毛(ダウン)の価格の決まり方をご紹介します。
昔はヨーロッパで1年間の羽毛の価格決めのようなものがありました。
この協議会のようなもので、その1年間いくらでダウンを販売するかが産地別で決定されていました。その当時、日本の商社がほぼ独占的に羽毛をたくさん輸入していました。
つまり、ある一流商社が日本の羽毛の取り扱いを一手に請け負っていたようです。日本に入る全ての羽毛はその一流商社を介して輸入されていたため、国内の羽毛を使う業者はその商社から買い付けを行っていました。
ところが日本に羽毛布団が普及した頃、ある布団メーカーが大きなミスをしてしまいます。
どのようなミスであったかと言うと、デパートに卸した布団のダウン比率表示にミスがあったとのことです。その結果、デパートもメーカーも大手商事も大赤字となってしまいました。
それがなんと計2回あったとのことです。羽毛が日本中に行き渡るようになってきていたのですが、この大赤字が響き、その大手商社は羽毛事業から手を引くことになりました。
大手商社がいなくなってしまったら、競争が激化すると思いきや、全うに取引ができなくなってしまい、中国などから変な(悪質な)ダウンが送られてきても返品ができないような状態になってしまいました。
そこで、台湾の業者が間に入ることになり、台湾の業者が羽毛の選別と洗浄をすることになりました。日本の羽毛業者は、台湾の洗浄業者から羽毛を買うことになりました。現在もこれは続いております。
現在では、その他の国に直接買い付けに行くパターンももちろんあります。ただしこれは現地に太いパイプがある人でないとなかなか難しいです。現地から直接買い付けるということはなかなかハードルが高いことであり、一般の業者では羽毛の直接買い取りには手を出せない状態になってしまいました。
その後、羽毛の原料の高騰が続き、年々全ての産地の羽毛の価格が上がっています。そのため、以前安く買った羽毛布団と同じ品質のものを今買うと少し高いかもしれません。
ということで、羽毛のクオリティーに納得している羽毛布団を既にお持ちの方は、「ちょっと傷んできてしまったな」と思ったら、買い替えではなくお直しが経済的でオススメです!
2.羽毛布団の相場はあってないようなもの?
結論としてちょっと乱暴いな言い方かもしれませんが、羽毛布団の相場はあってないようなものです。
羽毛の仕入れ方法、羽毛の品質、製造拠点、製造から販売までのどこを小売店で行っているか、などかなり複合的な条件により販売価格は決定されています。
大切なことは、相場を考えて購入価格を決定するのではなく、本当に良いものを見極める目を持つことだと思います。
つまり出来るだけ良いものを、出来るだけ安く買うことが一番良いことだと思います。
当店では、原料を私が選び、価格とボリュームで判断ができなかった場合、原料サンプルを購入し、実際に羽毛布団に仕立て上げ、1日置いて膨らみを職人さんたち全員で見比べて決定しています。
「良いものを」「自信を持って」「安く」ご提供していますので、是非一度どんな商品を製造・販売しているのか見てみてくださいね!