1.軽い羽毛布団の選び方
まず、掛け布団を選ぶにあたり、一般的に筋肉のない人やお年寄りは軽い布団を好む傾向にあり、筋肉のある人は重い布団を好む傾向にあります。当然ですが、男性と女性だと女性の方が軽いものを好む傾向にあります。
櫻道ふとん店で取り扱っているシングルサイズの羽毛布団で重さは、羽毛を除く側生地で750gから1320gまでと幅広く、最も軽いものと最も重いものでは約600gも側生地だけで重さが違います。
もちろん世の中にはもっと重たい生地があり、これらの重さの違いは、使っている糸の太さと元々の素材の重さが違うためです。
側生地の素材を選ぶにあたり、綿100%の側生地にこだわる場合は、糸が細いものの方が軽くなり、お値段も高くなります。糸が太いものの方が重たくなり、お値段も安くなります。
これは糸の番手により変わり、太くて40番手、細くて300番手まであり、一般的な流通は100番手くらいまでとなります。
最近ではポリエステル混の生地が多く流通しており、技術の進歩によりポリエステル混の生地も肌心地がよくなってます。こちらの生地はポリエステルと綿の比率や、使っている綿の糸の太さにより重さや値段が異なります。
2.羽毛布団側生地の素材とその重さについて
羽毛布団の側生地の素材の種類と、その特徴についてみていきましょう!
2-1.羽毛布団の側生地素材【ポリエステル100%:約750g】
ポリエステル100%で作った側生地は、柔らかですごく肌触りが良いです。高級なポリエステルで生産をしているので、温泉羽毛掛布団などの商品に使用しています。ポリエステルと聞くと蒸れてしまうというイメージを持たれるからもいらっしゃるかもしれませんが、上質なポリエステルは蒸れないのでご安心ください。
2-2.羽毛布団の側生地素材【綿100%: 約750-1320g】
綿100%で作った側生地は、質感は十分に良いです。重さにかなり幅がありますが、これは前述の通り糸の太さによるものです。
高級な綿で側生地を製造するとポリエステルの側生地とそれほど重さは変わりません。綿は番手(織る前の糸の太さ)で重さが変わるのですが、細いと軽いですし、太いと重くなります。お値段は細いほど高価になり、太いほど安価になります。
綿の糸の太さは、太いもので40番手、細いもので300番手までありますが、一般的に使われているのが60、80、100番手となっております。高級な羽毛布団の側生地は80番手か100番手が多いようです。
計算上、40番手の1/2の細さが80番手となるわけですので、単純に計算すると重さが半分になりそうですが、実際には半分になりません。その理由は、細い糸を使用する分、糸同士の接合部分をキメ細かくしないと羽毛が出てきてしまうので糸を詰めて生地を作るためです。それにより、使う糸の本数も増えますので、単純に半分とならず、また高い糸をたくさん使うことになるため価格が上がります。
羽毛が出てこないようにする方法として、「ダウンプルーフ加工」というものがあります。昔は樹脂を塗って加工していたのですが、重くなってしまいますし、樹脂が取れてしまうと効果がなくなるため、現在では高圧ローラーをかける加工方が一般的になっています。高圧ローラーをかけることで、糸の丸い繊維を潰すことができます。
また、それぞれの綿の生産地ですが、80番手以上の生地は日本製が多く、100番手以上はほぼ日本製です。60番手やポリエステルの生地は中国で製造されていることが多いです。ポリエステルについては、ダウンプルーフ加工ではなく熱圧縮できるので、安くて、軽くても羽毛が出てこないようにできます。
2-3.羽毛布団の側生地素材【テンセル】の重さは?
テンセル100%という側生地は基本的にはなく、テンセル&ポリエステルで製造したものが主力です。
テンセルの特徴としては、湿気を吸った途端に形状記憶で元通りの状態に復元をする、シルクより柔らかい、汗を良く吸う、天然繊維 で吸った湿気を吐き出す機能にも優れている、という点が挙げられます。テンセルと表記できるのは、テンセルの比率が33%以上のものに限ります。
2-4.羽毛布団の側生地素材【シルク100% 】重さは?
側生地をシルク100%で作ると、羽毛がとても出やすくなります。ダウンプルーフ加工をしても出やすく、そのためシルクの羽毛布団の側生地は、シルク混が主力となっております。
しかし、シルク混でも10年もしないうちに糸が痩せ細ってしまうため、隙間からダウンが出やすくなって来てしまいますのでご注意ください。
2-5.羽毛布団の側生地素材【レーヨン】の重さは?
レーヨンで作った側生地は2018年から出始めました。軽くて良い素材なので、当店でも導入予定で実験中です!
羽毛布団を選ぶ際には、羽毛の重さに加えて、側生地の重さにも着目しましょう。
羽毛布団の側生地の素材による重さの変化の話でしたが、当然ですが羽毛布団の重さは羽毛の量でも変わります。
そして、羽毛の量が多ければ多いほど暖かくなります。当店で製造・販売している羽毛布団は、基本的には側生地を軽く、羽毛をたっぷりと入れています。そのため、相対的には他社様の一般的な羽毛布団と同じ重さですが、圧倒的に暖かいです。
実際に羽毛布団を買う際は、中に入っている羽毛の量しか表記されていませんので、側生地の重さと中の羽毛の量の重さを総合的に判断しないと、全体の重さがわからないので慎重に判断して購入してください。
以上が「羽毛布団の重さの選び方」の重要なポイントです。羽毛布団は安い買い物ではないので、新しくご購入の際は、重さにもこだわって、しっかりと暖かく、保温力の高い羽毛布団を選べるようにしておきましょう!