1.敷布団とマットレスの違いは「表記」「種類」「計算式」
敷布団とマットレスの違いについては、明確な定義がありません。
そこで、布団マイスターの私が歴史等を調べてたどり着いたのが以下の定義です。
敷布団とマットレスの違いは、ズバリ「表記」「種類」「計算式」。
以下でその根拠をお伝えしましょう。
1-1【厚みに関する表記があるのがマットレス】
敷布団のタグなどで表記を見ると横×縦しかありません。
一方、マットレスの表記は、横×縦×厚み。
見たとおり、【厚み】があります。
ちなみに、和式の敷布団は、マットレスに比べて厚みが薄いので、掛け布団が床に広がります。
寝返りを打っても床や畳が重さを引き受けます。
マットレスの場合は、ある程度厚みがあります。そのため、掛け布団が周りに垂れるのでその重さがからだにかかります。
1-2【マットレスは3種類】
マットレスを思い浮かべると、すぐ出てくるのは次の3種類です。
(1)敷布団の下に敷く三つ折できるマットレス
(2)ベッドのマットレス
(3)低反発・高反発などの機能性マットレス
一方、敷布団はただ一種類、敷布団だけです。
1-3【敷き布団とマットレスはサイズの計算式が違う】
敷布団とマットレスでは、サイズの計算式が違います。
敷布団の長さは、自分の身長+35cmです。
身長175cmの人なら175+35=210cm。
マットレスの長さは、身長×1.05+15cm。
身長175cmの人なら175×1.05+15=198.75cmです。
どちらにも共通して言えることですが、身長は足を直角にして計測します。
ところが、眠るときには足をゆるりと伸ばします。
敷布団もマットレスも、この足の大きさと、頭の上の枕の余裕を持たせたて生まれた計算式です。
2.歴史から考える敷布団とマットレスの違い
マットレスが日本の暮らしに登場したのはいつ頃のことだったのでしょうか。
興味を持って調べてみました。
日本の敷布団も、どうやら時代とともに変化してきたようです。
2-1【敷布団の歴史】
その昔、土の上にわらをたっぷりと敷いて眠ったのが敷布団の始まりのようです。
平安時代、鎌倉時代の絵巻物などには、貴族が室内の床の上に畳を敷き、麻を掛けている様子が描かれています。
その寝具の名残が「畳」と「ふすま」なのだとか。庶民は板にむしろを敷く程度だったようです。
現在のように木綿わたの敷布団を敷くようになったのは江戸時代。
朝起きて布団をたたんでしまい、同じ部屋でご飯を食べ、夜、膳やちゃぶ台を片付け、たたんである布団を広げて眠りました。
庶民の住宅では、寝室も応接室も同じところ。玄関や土間で靴を脱ぎ、素足で家の中を歩くため、このような生活様式でも汚くはありませんでした。
ふとんをしまう場所は納戸か布団部屋。
現代のような押し入れが各部屋につくようになったのは、明治以降と考えられています。
2-2【ベッドマットレスの歴史】
私が知る最も古いベッドは、エジプトのピラミッドで発掘されたもの。
発掘によって数々の生活様式が発見され、その中にベッドもあったというものです。
何年か前に、国立信州大学繊維学部で感性工学を研究する吉田先生に呼ばれ、「当時のベッドを再現した。ついてはベッドのハリ具合いの強さを検証してほしい」と、文献をいただいたことで知りました。
それは、木の枠に金網上に糸を張り巡らし、クッション性をもたせたとても精巧なものでした。
このようなベッドの上にヤシの木や実をほぐした集合材のようなものを乗せたのが、マットレスの始まりのようです。
その次にスプリングが開発され、さらにはクッション性を付けたスプリングクッションが、そして石油製品の登場によってウレタンマットレスが登場するという具合に進化して今に至ります。
西洋では、寝室は寝室、応接は応接室と分かれており、どの部屋にも靴で入ります。
当然寝室にも靴を履いたままで。ベッドで高さを付けるのは必然的ですよね。
2-3【敷布団の下に敷くウレタンマットレス】
昭和の時代、日本人は西洋の豊かな生活様式に憧れ、寝室は寝室だけの機能となるなど、生活用式が大きく変化しました。
同時に、とても厚いウレタンマットレスが登場しました。まるでベッドマットレスのような厚さ30cmくらいある品で、三つ折りができるものです。
周りが黒いゴムのような厚いビニールでできおり、そのマットレスの上に敷き布団をのせました。
その後、マットレスの圧縮技術が進化し、薄くてもからだを支えられるようになったのです。
最近では、4cmで昔の30cm程度の性能を持ったウレタンマットレスが作られるようになっています。
2-4【機能性マットレス】
昨今は、敷布団をのせずに、マットレス一枚だけで使うものや、いろいろなな機能を持つ機能性マットレスが販売されるようになりました。
室内では靴を脱ぐのが一般的な日本の生活では、フローリングの上に直接マットレスを敷いても気にならないからです。
まさに日本における「ガラパゴス進化論」そのものと感じます。
2-5【腰痛とマットレス】
機能性マットレスは、腰痛などからだの悩みや生活の悩みを敷布団やマットレスで何とかしようと開発されました。
悩みに応える機能がマットレスに加えられています。
元祖はやっぱり「ムアツ布団」だと思います。
点で支えることにより体圧を分散させる技術は、この時からです。
効果のほどは「少しはいいのかな?」という程度だったようで、その後、磁石入りの布団などが流行りました。
平成に入り、体圧分散で脚光を浴びたのが「低反発敷布団」。
柔らかく布団全体でからだを支えるものでした。
これでも腰痛対策は不十分で、その後、「エアウィーヴ」のような「高反発敷布団」が登場し、現在に至りますが、「ただ単に硬いだけ」という声も多く、変化を感じる人は少ないようです。
3.ベッドマットレス・敷布団用マットレス
ベッドのマットレスは中に鉄のスプリングが入っていて、その上にポリエステル100%の綿をキルティングした布が張ってあるのが一般的です。
最近ではスプリングの上にウレタンを敷いてあるのもあります。
どちらも汗を吸い取る層がないため、ベッドパットが必要になります。
ベッドパットには保温の役割もあります。
イタリアの「マニフレックス」のように、ヨーロッパでは最近、脱スプリングマットレスが流行っているそうです。
日本人ではもともとマットレスにスプリングを入れる発想がなく、汗をたくさん吸い、保温力もある木綿わたの敷布団の下に、三つ折のウレタンマットレスを使うのが一般的です。
布団の専門家からみても、とても優れた使い方をしていると思います。
4.ベットマットレス、敷布団+マットレスのデメリット
ベッドマットレスは、上にベッドパットを使用しなくてはなりません。
これがたいてい心もとないほど薄いです。
また、ほとんどのベッドマットレスは、健康面からみた場合、柔らかすぎると感じます。
櫻道ふとん店のホームページの「腰いい寝Comfort」「快眠の王Comfort」のページでは、硬質ベッドと「腰いい寝」の沈み具合を比較しています。
硬質のスプリング(鉄)よりも「腰いい寝」の方が沈みません。スプリングでもまだまだ柔らかいのです。
もう一点、ベッドのサイズは195cmがほとんどですが、最近の日本人の身長から言って短い!マットレスの長さは最低でも200cmはないと現代の日本人男性がゆったり眠れません。
敷布団のデメリットは床に近いことです。
花粉症やハウスダストなど、歩くだけでかなりのホコリが床から舞い上がります。
朝起きたときに、くしゃみ鼻水が止まらない。なんてことも・・・。
5.敷布団にもベッドにも、どっちにも使える櫻道ふとん店のマットレス
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ベッドマットレスは硬質マットレスと呼ばれているものでも敷布団より柔らかいものがほとんどです。
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