1.敷布団って洗えるの?
洗えるか洗えないかという問いには、
①自分で洗える
②クリーニングに出せば洗える
③洗うことができない
という3通りの答えがあります。
①の場合、自分で洗えるか、自宅で洗えるか、コインランドリーにするのかを判断する必要があります。
また①②③の選別の仕方は素材で決まります。
素材には大きく分けて、天然素材(綿、羽毛、羊毛、絹、毛皮、)と化学繊維(ウレタン、ポリエステル、樹脂)の2つがあります。
このうち、自分で洗って問題ないのは、化学繊維のポリエステル100%だけだと思ってください。
羽毛や木綿をはじめとする天然繊維は、油脂分が繊維に付着しています。
たとえば羽毛布団の場合、使われる羽毛は水鳥だけです。
水鳥の羽毛は水の上に浮きます。
理由は繊維一本一本に天然の油が付いているためです。
この油脂分により、湿気を帯びても布団がいつも膨らんでいるのです。
もしもニワトリの羽毛を使えば、人の湿気を吸っただけですぐにペタンコになってしまい、使い物になりません。
木綿わたも、病院で使われている脱脂綿を使わないのは、同じ理由からです。
羽毛布団をコインランドリーなどに持って行って自分で洗うと、2〜3回程度までは何とかぺちゃんこにならずに使えますが、そのうちに側生地の中でひと固まりになり、高級な羽毛布団がニワトリの羽毛みたいになってしまいます。
コインランドリーに、「布団洗えます。」と書いてある場合、確かに洗えはしますが、どうなるかまでは保証していませんのでご注意くださいね。
2.洗える布団か洗えない布団かを調べる方法
敷布団の製品の横に品質表示のラベルがあると思います。
このラベルに、ポリエステル100%と書いてあればコインランドリーで洗って大丈夫です。
ただその際、中の綿が寄ってしまうことに気をつけなければなりません。
キルティングといって、布団をがっちり糸で縫ってある敷布団なら綿が動かないので寄りません。
キルティングされていない敷布団の場合、洗濯中に綿が動いてしまいます。
この場合、洗濯機の中に入れる前に、敷布団を丸めて軽く縛ってから入れましょう。
3.敷布団の汚れの原因
敷布団が汚れてしまう主な原因として
①汗
②おねしょ
③ダニ
④食べ物
⑤ペット
があげられます。それぞれについて説明します。
3-1【敷布団を洗いたい理由その1「汗」】
人は一晩のうちにコップ1杯分の汗をかくといわれています。
この汗の3分の2を敷布団が引き受けます。
また、汗の成分は、いろいろな老廃物や男性ホルモンなどが混ざったもの。
男性ホルモンは、空気中の微生物と混ざり、茶色い物質に変化します。
旦那さんやお父さんなど、男性の枕が茶色になっていませんか?
あれは男性ホルモンが主な原因です。
この茶色い物質は繊維が吸い取るため、洗い流すのが理想的です。
3-2【敷布団を洗いたい理由その2「おねしょ」】
おねしょの成分は、汗の成分と大きくは変わらないのですが、子どものおねしょと大人のおねしょでは違いがあります。
大人の場合、おおよそ薬を飲んでいる人が多く、おねしょをした場合、子どものおねしょとはにおいが違います。
自宅でのおねしょの対処法ですが、まず、乾いたバスタオルで、できるだけ吸い取ります。次に熱湯でタオルをぬらし、軽く絞った程度でなぞり拭きます。
そのあとまた乾いたタオルでふき取ります。
これを何回か繰り返し、布団乾燥機か、天日干し、スペースがなければドライヤーで乾燥させます。
ただし、この繰り返しが敷布団の寿命を縮めることになることはご了承ください。
3-3【敷布団を洗いたい理由その3「ダニ」】
天然繊維の敷布団をお使いの場合、ダニは避けて通れません。
木綿、羊毛、羊毛混、綿混の布団をお使いで、ダニアレルギーの方でしたら、敷布団は毎年丸洗いしましょう。
アレルギーのない方でも、年3に1度は洗ったほうがよいですね。
また、ウレタンや、樹脂など布団の中にはダニが入らない素材の場合でも、ハウスダストと一緒に降ってくるダニは掃除機で吸い取りましょう。
3-4【敷布団を洗いたい理由その4「たべもの」】
お布団やベッドの上でお菓子を食べたり、食事をしたりする人がいますね。
ダニの原因になったり、カビの原因になったりするので、基本的にはやめたほうがよいです。
身に覚えのある方は、この機会にぜひ1度洗ってから使いましょう。
風水の本にも「寝具の上での飲食は運気が下がる」と書いてありますwww。
3-5【敷布団を洗いたい理由その5「ペット」】
近年、犬や猫などのペットと一緒に寝ている、または寝室が一緒という方が増えています。ノミやダニの心配があります。
1年に1回は敷布団を洗いましょう。
4.干しても取れないタンパク質汚れ
汗には皮脂汚れをはじめ、人から出るいろいろな老廃物、ホルモンなどのタンパク質が混ざっています。
このタンパク質は、干しただけでは取れません。
特に男性ホルモンが変色した茶色汚れにはにおいも。
清潔に保つためには洗い流すのがおすすめです。
ただし、天然繊維の場合、皮脂汚れを落としすぎると布団の機能そのものがなくなってしまうのでご注意を。
カバーなどを上手に使って、本体の敷布団は洗わずに済ませるのも賢い使い方です。
5.敷布団の洗い方
では具体的にどのようにして布団を洗えばよいのでしょうか。
5-1【敷布団の洗い方その1「クリーニングに出す」】
敷布団洗いに関しては、できればクリーニング店か、布団屋さんにお出しになるのがよいと思っています。
保温力を損ねないために、また、素材をなるべく長持ちさせるために、専門の洗いをされたほうがよいからです。
素材と機能を損ねなければ、眠りの質が下がることありません。
あくまで寝具は眠りのための道具です。
この道具をメンテナンスに出すために、専門の店を使うのは当たりまえとだ思っています。
昔からあるクリーニング店や布団屋さんなどは、布団専用の洗剤を使います。
クリーニングの仕方は店によって違いますが、流れ作業になっていて、中まで水が通らなかったり、布団専用の洗剤を使っていないこともあるので、しっかりとお店に確認してからクリーニングに出しましょう。
5-2【敷布団の洗い方その2「自宅で踏み洗い」】
自宅で踏み洗いする方法がネットに紹介されています。
お風呂の浴槽に入れて・・・
などなど書いてありますが、この方々は自分で洗ったことがないとしか思えません。
全体的に濡らしてしまったら、ひどく重たくなってしまい、男の人でも2人でないと持ち上げられなくなってしまいますよ。
どうしても自宅で洗わなくてはならない場合、汚れた部分だけを、中まで水を浸透させないで、サッと洗うくらいの気持ちで洗うのが最善でしょう。
5-3【敷布団の洗い方その3「洗濯機やコインランドリー」】
家庭で使う洗剤には、プラスイオン洗剤とマイナスイオン洗剤の2種類があります。除菌専用と、汚れ専用です。
においが気になる人はプラスイオンの除菌専用洗剤。
汚れ落としはマイナスイオンの汚れ落とし専用洗剤。
一般的な洗剤はこのどちらかになります。
プロの洗いではプラスマイナス洗剤という特殊な洗剤を使います。
これは初めから特殊な洗剤としてつくられているもので、ただ両方混ぜればいいという訳ではありません。
ご自分でマイナスイオンとプラスイオンの洗剤を混ぜると、汚れも落ちない上ににおいも気になる、という洗剤になってしまいますのでやめたほうがよいですよ。
つまり、ご家庭の場合、プラスイオンかマイナスイオンのどちらかの家庭用洗剤で布団を洗うことになるのですが、特に汚れ専用のマイナスイオン洗剤で洗うと、木綿わたが脱脂綿になってしまうことになります。
どういうことかというと、ここでいう汚れには、尿や汗も含まれます。
尿も、襟元の汚れも、汗も、ただの塩水ではなく排泄物で、ホルモンまで含まれていますから、茶色くなります。
マイナスイオンの洗剤は、シャツや下着などの油脂分を落としてキレイにする洗剤のため、羽毛や天然繊維の油脂分も落としてしまうのです。
洗濯後、カサが減った、ふくらみがなくなった、綿が固まったり絡んでほぐれなくなった、ということが起きるため、一般的には洗えないわけです。
2〜3回の軽い洗いなら固まりはしませんが、さすがに5〜6回程度洗うと、固まったり高級羽毛が安物羽毛さながらになったりしてしまうので要注意です。
6.敷布団を洗う洗剤
クリーニング店など、布団を洗うお店で使われているのがプラスマイナスイオン洗剤です。
この洗剤は一般的には販売されておりませんので、クリーニング店か布団屋さんの丸洗いシステムを利用するのがよいです。
もしどうしてもご自分で洗う場合、プロの洗剤に近い一般家庭用の洗剤というと、髪の毛を洗うシャンプーしかありません。
なので、敷布団に限らず布団類を自分で洗濯する場合は、お好きなシャンプーを使うのが一番です。
7.敷布団洗う時期(季節)
定期的に洗う場合、アレルギーなどがない方は、汗をたくさんかいたあとの秋口がよいでしょう。
汗をスッキリ洗い落として、秋冬の季節をスッキリ迎えましょう。
花粉症の方などは、花粉が飛ぶ時期が終わってから、スッキリ洗い落として使ったほうがよいです。
喘息の方は梅雨前にしっかり洗って菌を落とし、梅雨の時期に乾燥機をしっかりかけて乗り切りましょう。
8.洗った敷布団の干し方
コインランドリーなどで自分で洗った場合、脱水はしっかりしましょう。
敷布団が濡れるととても重たいのです。
脱水をしたあとは、乾燥機もしっかりかけた上で天日干しをしましょう。
木綿わた敷布団などは、特に中まで乾かすのにとても時間がかかります。
9.敷布団を洗って失敗したら
もし、敷布団を洗って、中の綿が片寄ってしまった場合、布団屋さんに相談するしかありません。
打ち直せば直る場合がほとんどです。
その他の失敗も、櫻道ふとん店にお気軽にご相談ください。
10.櫻道ふとん店の敷布団は洗えるの?
櫻道ふとん店の敷布団には、ご自宅で洗える敷布団はありません。
なるべくクリーニング屋さんか、丸洗いの看板が出ている最寄りの布団屋さんにお出しください。
コインランドリーなどで洗っても、型崩れやほつれなどはほとんどありませんが、洗剤が素材に影響を及ぼしてしまうことが多いため、内側からの変化や、耐久性の衰えがないことを保証できません。
毎日使う敷布団だから洗いたい!という気持ちはよくわかりますが、
寝具の一番の目的は、上質な眠りによるからだの健康管理です。
疲れを効率的に取ったり、
ダメージを修復させたり、
若返らせたりするための大切な道具なので、
できる限りプロにおまかせになることをおすすめします。