1.敷布団の寿命・買い替え時期のサイン
敷布団に次の症状が出てきたら、そろそろ買い替え時期が近づいていますよ。
毎日の睡眠を支え、健康を保つ役割を持つ大切な敷布団。
ご家族の健康のためにも買い替え時期の目安を知っておきましょう。
目に見えるサインは次の4つです。
①敷布団のへたり
②敷布団のにおい
③敷布団の底つき感
④敷布団の汚れ
1-1【敷布団の寿命・買い替え時期のサイン<へたり>】
敷布団で、一番気になるのはへたりです。
へたった布団では、腰が痛くなってしまったり、保温力がなくなったりして寒いからです。
へたりは素材によって違うものですし、同じ素材でも形状や厚みや密度によってへたる速度が変わります。
詳しくは寿命のところでお伝えしますが、へたりを感じたら、買い替え時期が来ているか、お直しが必要とお考えください。
1-2【敷布団の寿命・買い替え時期のサイン<におい>】
敷布団を買い替えたくなる理由の1つに、においがありますね。
敷布団に染みついているのが自分自身のにおいの場合、自分ではあまり気がつきません。
ではいったい、どうして買い替えたくなるのでしょうか?それは、家族です。
たとえば、独り暮らしの息子のところに、久々にお母さんが訪ねたとき、
部屋に入ってびっくり!
臭くて臭くて!
窓を開けて新しい空気に入れ替えながら、掃除をはじめたら、においの原因がやっとわかった!
敷布団が臭かった。
「買い替えなきゃ」ってことがよくあります。
また、夫婦で一緒に買ったのに、
ご主人の敷布団だけにおいが気になって、
片方だけ買い替え時期?
って思いますよね。
そんなとき、においだけなら買い替えではなく、クリーニングにお出しください。
ほとんどの場合、クリーニングだけでにおいは撃退されます。
買い替えの必要はありません。
1-3【敷布団の寿命・買い替え時期のサイン<底つき感>】
「底つき感」とは、寝ているときにからだに床の感触が当たる感覚のこと。
敷布団が経年によって薄くなったり、
硬くなったり、
また、中身がかたよってしまったりして、
「布」しかない感じを覚えたら、
お直しか買い替えのサインとなります。
ポリエステルの敷布団で、細いデニール数の糸を使用した敷布団などは3か月もしないでつぶれます。
へたるのではなく、つぶれるのです。
また、ホームセンターで販売されている敷布団に多いのですが、
敷布団の周囲の部分ばかりが厚く、
肝心の真ん中が最初から薄いものは、
残念ながらはじめから買い替え時期www……
と、私達プロの職人はいつも仲間で話してます。
パッと見て購入するのではなく、腰のあたりをしっかり支えてくれそうかをしっかり見てからご購入ください。
1-4【敷布団の寿命・買い替え時期のサイン<汚れ>】
無地の敷布団やマットレスを購入された方は、こんな経験したことがありませんか?
よだれなんか垂らした覚えがないのに、こんなところにシミがある!
このシミ、布団マイスターの私にも理由がよくわからないのですが、よくあることです。
これがいくつも見つかると、買い替えたくなりますよね。
でも、早めのクリーニングで買い替え時期を少しでも遅らせましょう。
また、敷布団カバーなどを掛けていれば、汚れがつきにくいものです。
なおかつ、4隅にゴムが付いた敷パットを併用すれば、すぐに買い替えしなくても、もっと長持ちします。
2.敷布団の素材と、寿命や買い替え時期
敷布団の素材とその寿命(ここではへたりを寿命とします)をご存知ですか?
素材そのものの寿命と、その素材を使ってつくった敷布団の寿命は違います。
お直しをすれば新品同様に使える素材なのか、
お直しは効かず新品と交換しなくてはならない素材なのか、
素材よりも側(がわ)生地の方が寿命が短いのか?
また、それぞれの買い替え時期など、さまざまです。
素材ごとに買い替え時期をみてみましょう。
2-1【ポリエステル敷布団の寿命・買い替え時期】
ポリエステルの敷布団は、へたりが早く、安物だと3か月でへたり始めます。 ポリエステルの素材といっても、各種多様で、3か月〜3年と幅があります。
たとえば、
①ホームセンター系でとても安いポリエステル敷布団だと、6デニール以下の細デニールといって、繊維の太さが敷布団に向かない細いものを使っている場合があります。
その場合、3か月程度でへたってしまいます。
13デニールなど太いデニールを使っている場合、2年程度もちます。
②ポリエステル硬綿芯で、ポリエステルの綿をぎゅっと圧縮してつぶれにくくしている場合も、硬綿の密度と厚みが関係していて、密度が高く厚みがあれば2年程度持ちます。
このような品になると、羊毛敷布団の内側に入れてつぶれにくくしますので、シングルで20,000〜30,000円になっています。
③帝人の素材「Vラップ」などは、ポリエステルの繊維の向きを整えてつぶれにくくしています。
この「Vラップ」にも種類があり、敷布団用は繊維が太いものを使います。
また、厚みもさまざまで一概には言えませんが、通常のポリエステルよりは断然長持ちです。
素材であるポリエステル自体の寿命は20年程度で、糸がホコリのように粉々になり始めます。
2-2【木綿わた敷布団の寿命・買い替え時期】
むかしから、「敷いて3年掛けて5年」といいます。
木綿わたの布団の場合、敷布団は3年、掛布団は5年で打ち直し(お直し)をしましょう。
木綿わたの敷布団の場合、職人さんがつくると、腰の部分を他のところより厚く綿入れをします。
これを専門用語で「中高式」といいます。
むかしから腰の部分が人体で一番重たいのを知っていたのでしょうね。
この中高式の敷布団も3年もたつとへたり、船の底みたいに真ん中が薄くなります。
こうなったら打ち直し(お直し)のサインです。
ちなみに素材である木綿は80年くらいは寿命がありますので、打ち直しを繰り返していけば一生持つということです。
余談ですが、
通常の量販店などでは中高式の敷布団はまず販売されていません。
とてもコストがかかり、大量生産には向かないからです。
2-3【羊毛敷布団の寿命・買い替え時期】
木綿わた敷布団と同じ天然繊維ですが、羊毛敷布団はすぐにへたります。
そのため、「パンチング」といって、はじめからある程度圧縮されたものを使っているところがあります。
また、複合素材で、ポリエステルの硬綿を中芯に入れて、つぶれにくくした羊毛硬綿敷布団もあります。
この場合、へたりでの寿命は、複合材次第になります。
ちなみに、羊毛綿の素材としての寿命は100年以上です。
へたりだけで考えたら、買い替え時期は気にしなくてもよいかもしれません。
2-4【ウレタン敷布団の寿命・買い替え時期】
ウレタン素材のへたりの寿命は、ウレタンの密度と比例します。
現在は高反発が人気で、硬さであるニュートン数が脚光を浴びていますので、ニュートン数での簡単な見方をお伝えします。
ただし、これは指標であり、特殊加工品は除きます。
・100ニュートン未満なら2年程度
・150ニュートン未満なら3年程度
・200ニュートン以上なら5年程度
です。
買い替え時期もこれらを目安にするとよいでしょう。
2-5【樹脂素材の寿命・買い替え時期】
樹脂(「エアウィーヴ」など)もウレタンと同じで、密度でかなり決まります。
ただ、構成されている元々の樹脂繊維の太さがありますので、メーカーごとや、製品ごとにへたりの寿命が違います。
また、インスタントラーメンのような形状のものと、
樹脂繊維をつぶれにくくするために縦方向に並べたものとでは、
へたりのスピードが変わります。
一般的に販売されている樹脂の敷布団は1年で1mmずつへたり、7年で交換です。
買い替え時期はこのくらいを目安にしてください。
2-6【低反発敷布団の寿命・買い替え時期】
低反発もウレタンなのですが、一般的な高反発のウレタンとは違い、ニュートン数ではへたりが分かりません。
こちらは密度になります。
ただ、はじめから柔らかいので、へたりがきたのかどうかは、とてもわかりにくいです。
3.敷布団が買い替え時期か、クリーニングか、打ち直しか
私達職人は、よい物をず〜っと愛用していただきたいと思っています。
古くなったり、機能が落ちたりしたら、すぐに買い替えとなるものより、お直しができたり、クリーニングができたりして、長くお使いいただけるものを、おすすめしたいと考えます。
一例をあげます。
櫻道ふとん店の「快眠の王」という敷布団は、特許の「温泉綿」がたっぷり入っているので高価です。ご購入時、シングル79,800円です。
7〜10年お使いになられたら、買い替え時期ではなく、打ち直しです。
【側生地の交換→「温泉綿」の取り出し→洗浄→トルマリンの追加→中芯のプロファイルウレタンの交換→仕立て直し】
という工程を踏んで完成ですが、料金は24,800円です。
ご購入時は天然石トルマリンが高価なため、79,800円ですが、お直しは24,800円です。
まだまだ打ち直しで使えます。
2回目の打ち直しも24,800円で1回目からの合計129,400円。
20〜30年使ってこの価格ということですので、買い替えの繰り返しを考えれば、今後もっとお安くなっていく計算ですね。
また、お直しができる布団を使っているとさらに便利なことがあります。
たとえば、ご結婚時に「腰いい寝」敷布団をダブルで購入したとします。
子供が生まれて成長し、1人ずつ寝ることになった場合、お直しで、シングル2枚にも直せます。
その反対もできます。
シングルを購入したけれど、お母さんだけ子供と一緒に寝るようになったという場合。
両方ともトルマリンの温泉綿を必要な分たすだけで、サイズの変更ができます。
買い替えしなくて済むので、とてもお得です。
お直しができる布団にしておくと、買い替え時期までのメンテナンスはクリーニングだけとなりますので、とても楽ちんです。
4.櫻道ふとん店の打ち直しについて
一般の寝具店やメーカーでは、打ち直しできる布団は、木綿わた敷布団か羽毛布団に限られます。
しかし、櫻道ふとん店では、このほかに、打ち直しができないはずの羊毛敷布団も打ち直しができます。
※木綿わた、羊毛わたの打ち直しにつきましては、ご来店限定となりますことをお許しください。
※羽毛布団については、お電話でも受け付けています。他社様の羽毛布団でもお直しできます!
また、櫻道ふとん店のウレタン素材を使用した敷布団・マットレスの「カルカル敷布団」「腰いい寝」「快眠の王」なども打ち直しできます。
打ち直しは、殺菌乾燥付きなので、ダニなどは卵まで死滅します。
「腰いい寝」「快眠の王」に含まれるトルマリン入りの「温泉綿」には、ホウ酸結晶が含まれています。
そのおかげでダニやゴキブリなどの昆虫が繁殖できません。
ホウ酸は目薬に使われていますので、人体に害はありません。
買い替えを検討されるより、打ち直しを上手に使って一生使い続けてほしいお布団です。