1.敷布団と痛み<背中が痛い>
敷布団の広告やショッピングサイトなどで、厚めの敷布団に横になって眠る写真をよくみかけます。
「背骨が一直線できれい」という理屈で、厚い敷布団を販売している場合、その根拠として「寝心地」のテストのことしか書いてありません。
しかし、そもそも横向きに寝た状態では正しい寝心地テストにならないのです。
大切なのは「眠るときは仰向けでなければ疲れが取れない」ということです。
これは、日本で唯一の繊維学部がある信州大学の研究でわかっています。
櫻道ふとん店では、この繊維学部と共同で眠りの研究をしています。
朝起きて背中が痛いのは、ずばり敷布団がからだに合っていないからです。
横向きで背中が一直線になるということは、骨盤が8cm程度敷布団に沈んでいることになります。
そうした敷布団だと、仰向けで寝ているときには、腰の部分が敷布団に沈み、背中が丸まり、胸が少し内側に入って、猫背のような状態になります。
つまり、背中を丸めて仕事をしているときのような、姿勢の悪い状態で寝ていることになります。
朝まで姿勢の悪い状態が続くなんて、疲れませんか?背中が痛いのも当然ですよね。
本来、背骨は腰の部分が反り、胸の高さのあたりで少しだけ丸くなり、首で再び反りをつくります。
きれいな姿勢になると、脳波がアルファー波優位となります。
その結果、リラックスして深い眠りに入り、疲れをとります。
ところが、背骨が一直線になったり猫背状態のままだと、眠りが浅くなり、背中も痛い状態になります。
現代人の多くは、からだを包み込むような敷布団のやさしさ、やわらかさに一時的な「寝心地」のよさを感じます。
無駄に厚い敷布団を、ただ単に「寝心地がよい」という理由で使うと、知らないうちにからだがむしばれて痛い場所が出てきます。
せんべい布団のほうが、まだましです。
朝起きたときに「腰が痛い」「背中が痛い」と感じるようになった場合は、3か月程度せんべい布団を使用してみてください。
痛い部分が改善されたら
「厚すぎる敷布団や低反発のようなやわらかすぎる敷布団のせいで痛いのだ」
ということが、身をもって理解できるでしょう。
2.敷布団と痛み<腰が痛い>
人は、腰の部分が一番重く、体重の43~45%程度にあたります。
低反発のような、やわらかい敷布団に寝ると、腰の部分が沈みます。
この姿勢は、へたった布団に寝ているのと同じです。
背中にとって、腰の部分がアーチを描いている状態が、筋肉を使っていないリラックスした状態となります。
リラックスできたらコリなんてありません。
それなのに、横向きに寝ると背骨が一直線だったり、仰向けに寝ると背中が曲がった状態では、リラックスとは程遠い状態に背骨が並んでいて、筋肉を使いっぱなしです。
これでは常に緊張状態で、コリが取れる時間がありません。
朝までこの状態では、腰が痛くなって起きるのも当たり前です。
また、深く眠れませんから、疲れもたまります。
3.敷布団と痛み<首が痛い>
朝起きて首が痛いのは、敷布団と枕の高さのバランスがよくないからです。
厚い敷布団などをお使いの人は、からだが沈んでいる可能性が高くなります。
枕が不要なほど沈みこんでいるかもしれません。
人が立って、身長測定をしている姿を想像してみてください。
横から見たら、頭だけ少し前にありますよね。
もし、高い枕をしたらどうなるか、想像してみてください。
首だけぐっと前に突き出ていませんか?
この、枕が高すぎる状態は、むち打ち状態と一緒です。
むち打ちって、交通事故のときになってしまう首のケガです。
ケガなので、当然痛いです。
首の骨は、アーチを描いて、重たい頭を一番力を使わない状態で持ちあげる構造になっています。
アーチを描けたときに、筋肉をあまり使わないリラックスモードになります。
頭の重さはボウリングの玉とほぼ同じ重さです。
このボーリングの玉、30分間斜めに持ちあげていられますか?
無理ですよね。
首は1日中この重たい頭を支えています。せめて眠るときくらい、リラックスさせてあげたいものです。
朝、首が痛い人は、枕が高い可能性が大です。
特に、厚い敷布団を使っている場合、3cm程度のとても薄い枕でないと、理想的な寝姿勢をつくれません。
4.敷布団と痛み<肩が痛い>
朝、肩が痛いという人も、敷布団と枕が合っていません。
この場合、先程とは逆で、枕が低い可能性があります。
人は、仰向けのときは枕が低く、横向きのときは枕が高くなるのが理想です。
仰向けも横向きも同じ高さで対応すると、枕が高すぎる場合は首が痛い状態になり、低すぎると肩が痛い状態になります。
5.硬くて薄い敷布団が健康にいいってほんと?
あなたは、厚い敷布団と薄い敷布団を並べたら、どちらを選びますか?
ほとんどの方は厚いほうを選びます。
でも、健康を意識するなら、薄いほうがからだによいのです。
たとえ、底つき感があるような敷布団でも、です。
無駄に厚い敷布団ややわらかい敷布団を使うと、やわらかいソファーに腰かけているのと同じで、お尻が痛いと感じます。
車の座席シートも同じです。
長距離移動の多いアメリカやヨーロッパの高級車の運転席は、硬くつくられています。
座り心地だけで選ぶと、やわらかいソファーや椅子を選びますが、長時間座っていると疲れますし、腰が痛くなります。
硬いソファーやシートのほうが、長時間座っても疲れません。
ですから、無駄に厚い敷布団を使うより、薄くて底つき感のある敷布団のほうがよっぽどましです。
どうしてかというと、腰が落ち込んではいけない領域までは下がらないので、結果的に疲れにくいからです。
底つき感のない、硬くて薄い敷布団があれば理想的です。
やわらかい敷布団や、無駄に厚みのある敷布団に仰向けで寝転がった場合のレントゲン写真は、ゾンビを横から見たように、腰や背中が丸まって、手や足が前に出ているような図になります。
硬い敷布団に仰向けで寝た場合、先ほどの場合と逆に、腰や背中、かかとが圧迫されて、この3点が押しあげられたような図になります。
すると、腰のすぐ上の部分がしっかりアーチを描いたようになります。
この状態になると、筋肉がリラックスすることが分かっています。
硬い敷布団にした場合、不必要な厚みは無駄となりますので、理想的な敷布団ほど薄くても大丈夫です。
そして、からだによいことになります。
6.敷布団を変えたばかりでカラダが痛いことも?
人の姿勢は5タイプあるといわれています。
標準、円背(猫背)、平背、凹円背、凹背です。
日本人に一番多いタイプである「猫背」の人を例にお話します。
猫背の姿勢の人が、試し寝をしたとします。
この人が「気持ちいい」と感じる形は、本人そのままの形である猫背です。
猫背を直そうと矯正する敷布団に寝た場合には、「寝心地がよい」とは感じません。
信州大学繊維学部で、人間工学的にみた「理想的な背骨のアーチの大きさ」を教えていただきました。
立っているときの腰の部分のアーチの大きさは、4~6cmです。
仰向けで眠ると、内臓の重さが背骨に乗りますので、アーチの大きさは2~3cmに縮みます。
この理想的な形の敷布団を猫背の人が使ってみると、猫背が伸びるので、一時的に寝心地はよくないです。
ところが、少し我慢して使用していると、姿勢が少しずつきれいになり、起きたときのすっきり感が変わります。すると、もうこの敷布団でなくては眠れなくなります。
もう1つの例をあげます。
櫻道ふとん店のある御殿場市は田畑が広がる地域ですので、農家が多く、腰を丸めて仕事をしている姿を日常的に見かけます。
私も鍬(くわ)を持ちますが、仕事をしたあと腰を伸ばすと、しばらく腰が痛いです。
このように、曲がっていた背中や腰がきれいに並び直しをするときも、痛い場合があります。
何年も腰が痛い人は、2〜3日でよくはなりません。
よくなったり、状態が戻ったりしながら、1年かかる人もいます。
少しずつ変わっていく人が多いので、長く使える敷布団を選びましょう。
7.櫻道ふとん店の敷布団は、最初は痛いと感じるかも?
櫻道ふとん店の敷布団は、先ほどお伝えした「寝ながら寝姿勢を矯正する」敷布団のため、はじめは痛いと感じることもあります。
それでも、布団マイスターの私を信じて使い続けてください。
田舎にあるお店ですので、地元の商店街などへお買い物に行くと、よくお客様にお会いします。
直接、お客様からお話を聞くと、はじめは硬すぎると感じたり、少し痛いときもある人という人がたまにおられます。
しかし、そのようなことを言っていた方も、一定の時期を過ぎると、あとはずーっとご使用になっています。
敷布団のお直しを繰り返しながら20年以上愛用されているお客様もたくさんおられ、
「やっぱりこれがいい」
と言ってくださいます。
このように多くのお客様からの声と、長年ご愛用くださっているという実績がありますので、私を信じてお使いください。
そうはいっても、初めてお使いになる敷布団です。
いきなり購入するのは不安ですよね。
「あまりにも痛いから使えない・・・」
ということがないように、櫻道ふとん店では、無料でシングルサイズの敷布団をお試ししていただけます。
自宅で敷布団を3週間レンタルして、自分のからだに合う・合わないを確かめてみてからご購入ください。